
先日に行った’土間づくりワークショップ’の様子を中日新聞さんが記事にしてくださいました。
記者の鈴木さんは当日にワークショップにもご参加くださり、また今回の経緯から開催場所となった古民家の利用展望までとても丁寧に分かり易く纏めてくださってまおります。
是非 下記のリンクからお読み頂けると嬉しいです。
記事リンク先: https://www.chunichi.co.jp/article/557598?rct=h_shizuoka
先日に行った’土間づくりワークショップ’の様子を中日新聞さんが記事にしてくださいました。
記者の鈴木さんは当日にワークショップにもご参加くださり、また今回の経緯から開催場所となった古民家の利用展望までとても丁寧に分かり易く纏めてくださってまおります。
是非 下記のリンクからお読み頂けると嬉しいです。
記事リンク先: https://www.chunichi.co.jp/article/557598?rct=h_shizuoka
2022年10月2日に、静岡県湖西市新居町にて土間づくりワークショップを行いました。今回はコンクリートでなく、土を固めてつくる「三和土」にチャレンジです。
写真の砂利敷き部分が、今回土間を打つ場所。概ね10㎡(6畳くらい)あります。
三和土は 土、石灰、にがりを凡そ2:1:1の割合で混ぜて床に敷き、その上から土を
敲き固めてつくります。因みにこちらの写真が出来上がりのサンプル。この仕上がりを目指します。
先ずは、上記の材料を混ぜて攪拌するところからスタート。まるでコーヒー豆を焙煎してるみたい。
土は開催地に近い浜北地域の土を使っています。三和土では赤土を使う事が多いようですが、
今回はサンプルの様なベージュに近い色合いで仕上がる予定です。
そこから混ぜた土を床に巻き、順番に踏み固めていきます。いっちにー、いっちにーという感じ。
子供と大人が一列にならんでバケツリレーで土を運びます。子供達は何往復もして次々にバケツを運んでくれてました。何と嬉しい光景でしょうか。
ある程度まんべん無く土を敷いて踏み固めてができたら、木片とハンマーで敲き固めます。
土間の端から一列に並んでローラー作戦の要領で敲いていきます。コン、コン、コンと小気味良い音が建物の中に響き渡ります。敲きながら平滑にしていきたいところですが、これがとても難しい。職人さんの偉大さを実感します。
裸足で踏む土は少しひんやりしてとても気持ち良いです。体がアースされていく感覚… 癖になりそう。
一層分を終えたところで午前中の部が終了。思っていたよりも早いペースで進みました。
午後はこの上に同じ要領で2層を重ね、最後は左官職人さんが鏝で仕上げました。
今回のワークショップには地域の方々を始め、友人、仕事仲間、親族など、総勢32名もの方々にご参加頂きました。また遠くは長野県や岐阜県から駆けつけてくださった方もいらっしゃり、とても有難く自身にとってはとても幸せな夢の様な時間を過ごさせて頂きました。ご参加頂きました皆さん、本当にありがとうございました!
今後は土間の仕上がりを何らか共有させて頂くと共に、この建物を地域に開いたスペースにすべく活動していこうと思いますので、是非またお立ち寄り頂ければ幸いです。
また、今回のワークショップの様子を中日新聞さんが記事にしてくださいました。
とても丁寧に分かり易く纏めてくださってまおりますので、是非 下記のリンクからお読み頂けると嬉しいです。
記事リンク先: https://www.chunichi.co.jp/article/557598?rct=h_shizuoka
ジブリの大博覧会に行ってきました。
1歳半になる娘に見せたい。いいや、自分が見たかったというのが本音です。
僕にとってジブリの映画は、何というか物知りの叔父さんみたいな存在で、もやもやした頭に風穴を開けてくれたり、感覚を刺激してくれたり。時に「生きることをさぼるな!」と喝を入れてくれたりします。
会場は安藤忠雄氏 設計の兵庫県立美術館。自宅から自転車で10分程の距離にあります。
自転車の前席に乗せた娘は、会場に着く頃に就寝。エルゴで抱きかかえていざ入館です。
ナウシカ、ラピュタ、トトロ…といった具合に年代順に資料が並べられる中、あるセル画の前から離れられなくなりました。火垂るの墓のポスター用セル画。初めて見るものです。
ホタルの光と戯れて無邪気に笑う節子を、清太が優しく静かな眼差しで見つめている絵。よく見ると、ホタルの光にまざって空から降る沢山の光が描かれています。空襲を連想させる不穏な光。そして背景の夜色の中に爆撃機の黒い影が隠れるように描かれています。
ホタルの光と戯れる幻想的な風景と、残酷な空襲の場面が同じシーンに同時に描かれているアンビバレントな絵。「4歳と14歳で生きようと思った」というコピー。
凄いと思いました。物語の中核をこんなにも豊かに的確に一枚の絵とコピーで表現している。作り手の本気の仕事が積み重なって生まれた奇跡を見た気がして。感動で涙が出てきました。「伝える」ということはこんなにも大変で、殆ど奇跡みたいなものなのだと気付かされました。背後で話す声が聞こえます。
「トトロと火垂るって同時上映なんやって」
「どっちも兄弟の話やけど、全然違うよな~。」
「さつきとメイって、せっちゃんとお兄ちゃんと同い年?」
「共通のコピーが‘忘れ物を届けにきました’だって」
「忘れ物って何?」
「何かな~?絶対違うけど、とうもろこし?」
「何やろなぁ忘れ物って。気になるわ~」
周りに耳を澄ますと、みな各々に感想を言い合っています。
なんだかとても清々しい気持ちになりました。いいなぁ、楽しいなぁと思いました。
ジブリ好きに悪い人はいません。たぶん(笑)
鈴木敏夫さんと糸井重里さんのFAXのやりとりも展示されていました。とても素敵な内容でした。血が通っているというか、匂いがするというか。フラットだけど互いに敬いがあって、良い仕事ってこうやって生まれるんだなと納得させられました。
見所だらけの大博覧会、会期中にもう1回観に行こうと思います。
次はネコバスに乗るぞ!
兵庫県の丹波市にて、山の棚おろしを行ってきました。
山の棚おろしとは、山の中にどのような品質の木材がどれ程の量あり、一体いくらの価値があるのか試算を行うことです。この情報は立木をどのような商品に利用出来、どこへ向けて販売して行けば良いのかを考える材料になります。今回は、山から実際に木を伐り、品質の調査を行い、製材所に運んで製品としての切出しをする一連の過程を体験してきました。
先ずは伐倒する木の選定をします。林層(エリア毎の木の種類)を見つつ、どの種別の木を伐るかを決めます。今回は杉の木を対象としました。周辺で2・3番目に太い木を選び、その木を中心とした半径5.65m内の木をマーキングします。この円は100㎡を明示するもので、100㎡以内の木が調査対象となる訳です。今回は8本の木が含まれてり、その内1本は枯れ木でした。8‐1=7本の木の幹直径(地面から1.3mの位置)を測り、その平均の直径を出します。曲り、腐れ、傷、枝打ちの有無も記録します。
いよいよ伐倒です。試験木は7本の内、平均直径に最も近い木とします。チェーンソーで立木に切り目を入れ、楔を打って倒す方向に木を傾けます。そして木の頭部に掛けたロープをウィンチで巻き上げ、引張り倒します。静かな森の中に、「カーン、 カーン、 カーン」という楔を打つを音がこだまして、あたりの空気がピンと張りつめたように感じます。音は鼓膜から頭の上に抜けていくように響いてきて、何か神聖ものに触れるような厳かな気分になりました。そして高さ28mの杉の木はゆっくりと傾いて、しなりながら倒れました。杉の木が倒れるさまは、まるで巨大な生き物が崩れ落ちるような雄々しさと生々しさがあって、しばし呆然と見とれてしまいました。
樹冠長(生きた葉がついている範囲の長さ)と樹高、根本から1m刻みの幹直径を計測し、記録していきます。
倒れた木の根元に立ち、曲りを見ながらどのような製材とするかイメージします。そして切り分けて行きます。柱に使われるのか?それとも梁か?何メートルの材とするのか?切り分け方によって使われ方が決まってしまう、とても大事な工程です。幹直径も加味しつつ無駄なく価値の高い材を多く取れる様に考えて切り分けます。
切り分けた原木の末口のスライスを持ち帰り、これを調査・観察します。講師のガイドに沿って、年輪の数から樹齢を読み、年輪幅や形状、色、節の位置や長さなどから、木の成長や傷履の履歴、枝打ちの有無や時期、製材時の反り癖など、実に沢山の情報を読み取っていきます。
この情報を元に、立木の平均単価を割り出します。調査エリアの杉は、立木一本当たり¥7937円、1㎥当たり¥8988という結果になりました。樹齢40年、直径34cm、高さ28mの木が純粋な売値(搬出送費や作業人工等を含まない)として¥7937になるという事です。皆さんは安いと思われますか?それとも高いと思われますか?調査エリアは間伐はそれなりにされているようでしたが枝打ちはされておらず、個人的な感想としては手入れが行き届いている山という印象ではありませんでした。それでも40年かかって育った木が1本¥8000と言われると….。うーん価格って難しいです。
原木丸太を選んで木取りをして、実際に製材をしました。木取りとは、どんなサイズの製材を作るか考えてカット寸法を決めることです。ホームセンターで板材をカットして貰うのに寸法の分かる見取図を描きますが、あのような感じです。但し、相手は丸太ですから特殊な機械を使用します。丸太をセットした台車の様な機械を前後に動かし、その先にセットされた帯鋸に通してカットしていきます。カットした面を観察し、節や木目の状態を読みます。節が少ない材の方が売値が上がる訳ですので、節の深さなどを読みながら臨機応変にカットの厚みや角度を変えていきます。製材所の方のお仕事振りは、素人には信じられない判断スピードと阿吽の呼吸で、すっかり感心して見入ってしまいました。
最後に丹波の朝の風景です。山はこれから冬支度に入るといった風情でした。
また、温かい時期にも訪れたいと思います。
先週の11/21、22日にかけて岡山県の北東端に位置する西粟倉村を訪れました。
目的はようびのツギテプロジェクトに参加すること。ようびは「やがて風景になるものづくり」という理念を掲げ、西粟倉村を拠点に家具・生活道具から建物までをつくる、物づくりの会社です。
ツギテプロジェクトは、ようびの自社工房を自力建築で作るもので、村の内外やプロ、素人を問わずに人を募って、関わる人全員でものづくりを共有しようという壮大なプロジェクトです。
ようびを知ったのは2年前になります。代表の大島正幸さんの講演を聞く機会があり、人柄や取り組まれている活動にぐっと心を捕まれてすっかりファンになってしまいました。
昨年の一月、ようびの自社工房は火事で全焼。働く場所も加工機も材料もお客さんに届くはずであった家具も全て失うことになったそうです。けれどもようびは再興を決意し、2週間後には村外に場所を借りて家具を作り始めたそうです。そして自分達の目指すものづくりにふさわしい方法で働く場を再建したいという思いから、今回のツギテプロジェクトが始まりました。
参加1日目。西粟倉の現場についたのは午前10:00前。突き抜けるほどの快晴ですが肌寒く、北側に見える山頂には前日に振った雪がうっすら残っていました。
この建物の骨組みには右図のような立体的な木の組み方が採用されています。
構成材は3寸角(90mm角)の杉で西粟倉の間伐材を使ったものです。
現場にはこのパーツとなる木材が置かれていて、設計図を元に組み上げていきます。
予め用意した治具に縦材をセットし、その上に十字になる様に横材をのせて相欠き部分を掛矢(大型の木槌)で叩いて組んで行きます。相欠き部分が隙間なくはめ込まれるまで叩き続けていきますが、これが想像以上に大変でした。掛矢を10回も振ると腕がプルプル震えだしてる…。そしてヘルメットの隙間からは大量の汗が流れ出て顔面サウナ状態。日頃の運動不足の賜物です。
お昼ご飯は大島さん宅にて、現場メンバー勢ぞろいで頂きました。大島奈緒子さん(大島さんの奥様で建築設計を担当されています)がお昼をつくってくださり、まるで実家に帰ってきたみたいにくつろいで、ホクホクしながら食べました。遠足で食べるご飯みたいに、本当に嬉しくて美味しいご飯でした。
午後からは、組みあがった幅3m×高さ9mの格子壁をクレーンで吊りながら所定の位置に収めていきます。さながら巨大な木のジャングルジムです。ワクワクします。
午後の作業を終えると、近くの温泉で汗を流してから再び大島さん宅にて晩御飯を頂き(こちらもとても美味しかった!)、一日目が終了。外に出ると空には満天の星空が広がっていました。宿泊先であるスタッフの与語さん宅に着くと、清々しい疲労感と心地よい眠気に誘われてあっという間に就寝。
そして二日目。初日に比べ作業スピードが上がって快調なすべり出し。ところが、お昼を待たずに心配していた雨が降りだしました。
水を吸った木材は膨らんでしまい、掛矢を叩いてもなかなかはめ込むことができません。材料となる木材の雨養生を行って午前の部は終了。ひどくなる雨を鑑み、二日目の作業はここまでとなりました。
お昼ご飯を頂きながら、スタッフのワタナベさんと岸本木材の岸本さんが、西粟倉での季節毎の愉しみを話してくれました。岸本さんが見せてくれた、姫ホタルの群生の写真はまさに光の絨毯の様で、‘風の谷のナウシカ’のラストシーンを思い出しました。
西粟倉村での2日間は、ものづくりの現場の楽しさと緊張感、チームようびの明るく謙虚でたくましい姿勢に触れられた清々しい体験でした。ようびの皆さん、ツギテプロジェクト関係者の皆さんお世話になりました。ツギテプロジェクト、引き続き応援させて頂きます。